超芸術トマソンとは

トマソンとは、不動産に付着していて美しく保存されている無用の長物(超芸術トマソン p. 26)。あるいは、使いようがなくて無用になっているけれども、なにかたたずまいが変な物(トマソン大図鑑 空の巻 p. 8下)であります。

さらに全く無用ではないかも知れないけど、その用途がわからない物もトマソンとされているようです。『トマソン大図鑑』によると、 21タイプのトマソンが確認・分類されています。

トマソンという存在を認識すると、今まで何気なく見ていた日常の風景の中にもトマソンを発見します。しばらくすると、最初のころは「こっこれは、トマソンだぁ!」と感動していたものでも「ふ〜ん、ヒサシね」「前はここに窓があったんだな」とか慣れてきてしまいます。これはトマソン探索において避けがたいものであるらしく、トマソン学の始祖、赤瀬川原平氏もグルメ現象(超芸術トマソン p. 484)という言葉で表しておられます。

実際に、大物でない普通のトマソンはわりと簡単に発見できます。そして、発見したトマソンが多くなるとトマソン経験値が向上しトマソン眼もだんだん上がってきます。しかし、なんの役にも立ちません(でもすごく楽しい!)。

参考文献

『超芸術トマソン』赤瀬川原平.筑摩書房,1987

『トマソン大図鑑:無の巻』赤瀬川原平編.筑摩書房,1996

『トマソン大図鑑:空の巻』赤瀬川原平編.筑摩書房,1996